領土問題

今も続く戦争

領土問題とは

領土問題というのはある地域がどの国家の領域に属するかを巡って国家間で争いが起きること。これは日本にもまだ残されている問題で、主な原因としてはその土地にある天然資源や国境付近にある川や農地、重要建造物が主な原因となっている。領土問題は植民地問題と並んで戦争やテロの原因になりやすく過去には領土問題を発端にした戦争が起きたこともあり印パ戦争などがある。これら領土問題を戦争に発展させないために国連は国際法によって一国が他国の領土を武力によって占有することを禁じているが、前例では武力による解決がほとんどで話し合いにも武力背景があり平和的解決は困難を極めている。

 

北方領土問題

北方領土とは北海道根室半島の沖合にある択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の4島により成り立っている。そして、何が問題なのかというと今北方領土はロシアに実効支配されており、さらに日本が北方領土を固有の領土として返還を求めてきたからだ。ソ連軍はポツダム宣言受諾直後の1945年8月28日から9月5日にかけて北方領土を占領した。占領された当時約1万7千人の日本人がいたが、ソレンは1946年に4島を自国領に編入し、さらに1949年には日本人を強制退去させた。そして現在でもロシアの4島の実効支配が続いている。ロシアのルキヤノフ外交防衛政策会議議長は「北方領土問題自体はロシアにとってそれほど重要な問題ではなく何かが起きるともわせることで、外国的均衡を達成させることができるため、この問題は先送りするべきだ。」「そしてこのことは、日露首領ともに理解している。」とプーチン大統領の意見を述べていた。また日本側の主張としては北方領土が日本固有の領土であることや、1644年に江戸幕府が作成した正保御国絵図に北方領土が載っていることなどを理由に返還を要求している。アメリカ政府は日本固有の領土であることに賛成している。

日本側が証拠としている正保御国絵図

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竹島問題

竹島は日本海の南西部に位置しており主に2つの大きな岩石からできた島からなる。日本、韓国、北朝鮮がそれぞれ領有権を主張している。本来は人の住める環境ではない無人島だった。しかし1953年韓国が武力行使によって占拠、韓国の武装警官が多数常駐し実効支配を続けている。日本はこれに対して不法占拠として抗議を続けている。また竹島は昔韓国から、鬱陵島とよばれていて、事実西暦512年まで韓国の支配下だった。しかし税金を逃れるために鬱陵島に渡航する人が増えたため、渡航を禁じ事質無人島となった。この無人島対策は1881年まで続く。1618年海運業者の大谷甚吉は航海中に暴風に遭い無人島の鬱陵島に到着した。その発見から竹島と呼ばれるようになった。当時竹島への航路は隠岐島から松島を中継地としていた。この航路は竹島でのアシカ猟やアワビの採取、木材の伐採などに使われた。松島は現在の竹島で、江戸時代の竹島は鬱陵島の名称に戻っている。1905年、明治政府は竹島を島根県に編入した。しかし敗戦後竹島の行政権を失いそのことから、李承晚大統領は海洋主権の宣言ラインを設けそのことから今の竹島問題に通じている。

竹島の位置

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尖閣諸島問題

尖閣諸島は西表島の北にあり、日本領になったのは1985年で、日本政府がどこの国にも属していないことを調べ、日本領にした。19世紀初頭は人が住んでおり製造業も盛んだった。農業に不敵な土地だった。そのため定住者はいなかったが、開拓者の名にちなんだ「古賀村」集落を形成し、200人あまりが、生活していた。しかし経済的理由により放棄された。また、沖縄県が調査した結果清国の支配がおよんだ痕跡なしということだった。周辺海域は良い漁場となっているためそれを餌とする海鳥が多くいる。しかしアメリカ軍に沖縄が占領されたため尖閣諸島にも行政権が行使できなくなった1946年台湾人漁民が不法入域してしまった。しかも不法操業のついでに海鳥やその卵を収奪したため海鳥の数は激減してしまった。その後も台湾漁民による不法上陸が申告されているが現在では上陸そのものが制限されているため海鳥の数も回復しつつある。またいまでは、日本が実効支配しているが、全島において人民はいない無人島となっている。また、2012年9月の日本政府による尖閣諸島国有化以降、中国の国家海洋局の監視船等の公船が尖閣諸島への領海侵犯、中国政府機関の航空機での領空侵犯などが多様に繰り返されている。このようなことは1968年中国や台湾が領有権を主張してきたことにある。これは石油や天然ガスなどの大量の地下資源埋蔵の可能性があると判断されたときに台湾や中国が突然領有権を主張してきたのだ。石油などの海底資源が発見される以前は両国とも日本の領土と認めていたため海底資源の発見が両国の領有権主張の動機である可能性が高い。

国際司法裁判所

1946年に国際司法裁判所は設立された。紛争解決のために設立された司法機関で領土問題について15回裁判が行われているが日本の領土問題については裁判されたことはない。日本は何回か竹島問題について提訴しているが韓国側が応じたことはない。紛争の両当事者が同裁判所において解決を求めるという合意があって裁判ができるため提訴すること自体難しいものになっている。

領土問題の解決

領土問題解決への糸口は話し合いが有効だとおもう。なぜなら、武力などで土地を占領したとしてもいろいろな恨みなどが残りテロなどが発生する可能性もあり、また武力行使というのは、国際法でも禁止されているうえに今の時代では戦争そのものに悪いイメージがあるため情報機関なども後押しし外国へ逃げて行く人も自然に増えていき治安面からも財政面からも国が衰弱していく。一方で、国際司法裁判所で認められれば連合国にも認められるので、武力で奪われることも難しくなるうえ当事国との関係も良好になる可能性も出てくる。さらに勝訴した国は社会的に強い国だというイメージを世界に発信することができるので大きなメリットになる。敗訴すれば領海や海底資源を失うこともあるが実効支配していない場合進展も望めないしたとえ実効支配したとしても、相手国からの提訴を断り続けていれば周りの国からの信用も自然と無くなっていくので早い段階から平和的解決の努力をし、周りの国からの理解を求めていくのが大切であると思う。