国際連合
初回は、国際連合について調べさせていただきます。ぜひ最後までお読みください。
1.国際連合とはどのようなものか
国際連合(略称:国連 UN)は、第二次世界大戦を防げなかった国際連盟(1919〜1946)に代わって、1945年10月24日に正式に設立された国際平和機構です。本部所在地はニューヨークです。設立の中心となったのは、アメリカ合衆国・イギリス・中国(中華民国)・ソビエト連邦などの連合国です。原加盟国数は51でしたが、2010年現在では192で、世界の殆ど全地域を網羅しています(最近の加盟国はモンテネグロで2006年)。国際連合という言葉は、元々第二次世界大戦で枢軸国(つまり独・伊・日)に対抗して連合した諸国を表すために用いられたものです。ちなみに日本は1956年12月に加盟を認められました。
国連の目的は次に示す3つです。
1.国際間の平和・安全の維持
2.平等と民族自決の原則に基づく諸国間の友好関係の発展の育成
3.国際間の経済・社会・文化・人道的問題の解決の上での国際協力の奨励
2.国連の構成
主要機関は、総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所、事務局の6つです。
総会は、すべての加盟国の代表者から成り、国連の関与するすべての問題の討議をします。毎年開催されますが、必要ならば特別会議の招集も可能です。
安全保障理事会は、常任理事国5ヵ国(アメリカ合衆国・ロシア・イギリス・フランス・中国)と、非常任理事国10ヵ国で構成されます。主要な責務は、国際間の平和と安全の維持で、理事会の決定は9理事国以上の賛成投票により行われますが、常任理事国はいずれも実質事項についての拒否権を持ちます。
経済社会理事会(ECOSOC)は、国連の経済的、社会的、人道的及び文化的活動に関与し、経済・社会の発展のために研究・勧告を行います。
信託統治理事会は、未独立の信託統治地域が、自治・独立に向けた準備をすることができるようにすることを目的として設立されました。1994年までに全ての信託統治地域が自治若しくは独立を達成し、その任務をほぼ完了したとして活動を停止しました。
国際司法裁判所(ICJ)では、国家間の争いを裁いて、総会や安全保障理事会に対し、裁決・意見の言い渡しを行います。判決は、出席した裁判官の過半数で決定します。所在地はオランダのハーグです。
国連事務局は、国連の管理部門で、国連事務総長を長とします。国連事務総長は重要な政治的任務を持ち、任期は5年で、安全保障理事会の勧告に基づいて、総会が任命します。
3.国連の監督下にある機関と計画・基金
ここでは、国連の監督下にある機関(専門・関連機関)と諸計画・基金を紹介致します。
国際労働機関(ILO) 国際通貨基金(IMF)
国際連合食糧農業機関(FAO) 国際民間航空機関(ICAO)
国際連合教育科学文化機関(UNESCO) 国際海事機関(IMO)
世界保健機関(OWH) 国際電気通信連合(ITU)
国際復興開発銀行(IBRD) 万国郵便連合(UPU)
国際開発協会(IDA) 世界気象機関(WMO)
国際金融公社(IFC) 世界知的所有権機関(WIPO)
多国間投資保証機関(MIGA) 国際農業開発基金(IFAD)
国際投資紛争解決センター(ICSID) 国際連合工業開発機関(UNIDO)
世界観光機関(UNWTO) 世界貿易機関(WTO)
包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO
Prep.com)
国際原子力機関(IAEA) 化学兵器禁止機関(OPCW)
国連貿易開発会議(UNCTAD) 国連開発計画(UNDP)
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA) 国連薬物犯罪事務所(UNODC)
国連人口基(UNFPA) 国連人間移住計(UN-HABITAT)
国連環境計画(UNEP) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
国連児童基金(UNICEF) 世界食糧計画(WFP)
国連は、これまでに国際間の、あるいは国家内の紛争を解決するため、幾度か平和維持活動を行ってきました(国連平和維持活動は、1988年にノーベル平和賞受賞)。先程の「3.国連の監督下にある機関と計画・基金」ではほかに、国連児童基金(UNICEF)が1965年に、国際労働機関(ILO)が1969年にそれぞれノーベル平和賞を受賞しています。また国連自体、2001年にK.アナン前国連事務総長とともにノーベル平和賞を受賞しています。
1989年に冷戦が終結してから、国際連合の在り方について議論が起きていますが、日本が安全保障理事会の常任理事国になるべきかどうかも、その1つにあげられます。日本の未来にとって、安全保障理事会で責任ある役割を果たすことが日本国民に、そして世界に、どんな影響を与えるのか、真剣に考えていく必要があると思います。
最後になりましたが、お読みくださりありがとうございました。ここで、この文章を書くにあたって利用させていただいた、インターネットサイト・辞書・事典名を記します。
◆ブリタニカ・ジャパン ブリタニカ国際大百科事典
◆Wikipedia「国際連合」
◆ポプラ社 総合百科事典 ポプラディア
◆旺文社 日本史事典