環境問題 (その1)  

@  ごみ問題

1 ごみを一番出している国は?

 図1の表からわかるように日本のゴミ焼却場数はダントツで世界一です。一人当たり1キログラムのゴミを毎日出しており、年間で一家庭から12トンのゴミが出ているのです。図2を見ればわかるとおりごみ焼却量は、ヨーロッパの環境先進国の10倍以上です。なぜ日本が世界各国と比べると、ごみの排出量が多いかというとヨーロッパなどの環境先進国では、「燃やすとダイオキシン」、「埋めると土壌汚染」といった認識しているため企業の製造責任やごみの有料化などをしてごみを減らし「ごみゼロ社会」といった社会を目指しています。それに対して、日本は(第一に、企業(生産者)責任が含まれていない。第二に、市民(使用者)責任が含まれていないという内容の)容器包装リサイクル法という法律により、不法投棄が増加したりしているからです。ごみは燃やすことで量は減りますが、それでは、根本的な解決になりません。日本のゴミ処理は、根本的に間違っているのです。

テキスト ボックス:         図1 焼却炉の数(OECD2008)             図2 一人あたりのごみの焼却量

第1位 日本

 1248個

第2位 アメリカ

 351個

第3位 フランス

 188個

第4位 ドイツ

 154個

第5位 スウェーデン

 28個

   2 ヨーロッパのごみ政策は?

  上の2つの図からわかる通り、ヨーロッパは基本的にごみの出す量が少ない。その理由は、ゴミを作らない、売らない、買わない社会システムの基盤がしっかり整備されているからです。というのは、循環経済法によって「経済活動を自然の循環の範囲内で」と大枠が設定されています。そのおかげで、使い捨て容器に高額の税金、ゴミの完全分別、生ゴミの堆肥化、デポジット制の導入などが整然と実施されています。

3 デポジット制とは?

  先ほど出てきたデポジット制とは何か?これは、企業責任と消費者責任をつなぐ方法のひとつで、商品を買うときに一定のデポジットが徴収され、使用後、お店に持っていくときにデポジットを返してくれるシステムです。例えば、ジュースのビンに 1030円上乗せして、お店に空き瓶を持っていくとビン代が返金されたなどです。

4 4Rとは?

  4Rは、REFUSE(リフューズ)・REDUCE(リデュース)・REUSE(リユース)・RECYCLE(リサイクル)をまとめたもののことである。

  REFUSE(リフューズ)はやめるという意味を持ち、例えばマイバックを持参し、レジ袋をもらわないことや過剰包装品の購入を控えるなどです。REDUCE(リデュース)は減らすという意味を持ち、例えば詰め替え製品を活用することや、買いすぎをしないなどです。REUSE(リユース)は再利用という意味を持ち、例えば「繰り返し・大切に使う」を考えるなどです。 

  5 まとめ

 ごみは、私たちが毎日の生活で排出するとても身近な問題です。私たち自身のこころがけで、大きく変化することができます。そのためには次のことをやる必要があります。

@  基本となる4Rを実践しましょう。

ゴミの出ない買い方・使い方をすることが基本になります。無駄なものを買わずに本当に必要なものを買う。紙袋や本のカバーなど過剰な包装は断り、買い物袋を持っていく。使い捨ての物や食品トレイ、パックなどのプラスチックのものを避ける。

再生品や繰り返し使えるもの、長く使えるものを買うなどみなさんでもできることをしましょう。

A  欧州並み(企業責任、有料化、デポジット)のごみ政策を目指すよう、行政に意思表示する。

こうすることによって、不法投棄が減るので実行しましょう。

 

今回使ったホームページアドレス http://www.chikyumura.org/environmental/earth_problem/waste_problem.html